Black IvoryはNew York CityはHarlem出身のR&B Groupで、主に60年代末から70年代に活躍した。元々は69年の夏に全員Teenagerによって結成されたMellow Soulsとして知られ、後にNew York Dance Music界のMaestroとして君臨するPatrick Adamsの電話!?でのAuditionを受けたところからキャリアをスタートしている。元々は5人いたメンバーはLeroy Burgess、Stuart Bascombe、Froilan (Vito) Ramirez、Lawrence (Larry) Newkirkの4人となり、Black Ivoryを名乗るようになる。BronxのRoosevelt High Schoolで行われたTalent Showで優勝した彼らは、 Ramirezが Russell Pattersonに交代し、NewkirkがGroupを離れたため、3人体制となってAdamsが待つPhiladelphiaのSigma Sound Studiosへ向かうのであった。そこで“Don't Turn Around”と“I Keep Asking You Questions”の2曲が録音され、Adamsが設立したToday Recordsから71年にSingleのAB面としてリリースされるのだった。そして72年に待望のDebut Albumとなる本作がリリースされる。Leroy Burgess、Stuart Bascombe、 Russell Pattersonの3人はVocalのみならずSongwritingも手掛け、アルバムではPatrck Adamsと共作したりするなどして、若々しくフレッシュな才能を発揮している。気持ちSweetなBalladが多すぎるようで、若々しく躍動感に満ち溢れたFunkyなナンバーも、もう少し欲しかったところだが、まあ、それはさておき、Debut Albumにして中々充実した作品に仕上がっており、流石Patrick Adamsといったところ。彼らは70年代に5枚のアルバムをリリースしており、77年にBurgessが抜けた後も、BascombeとPattersonは解散する80年代初頭までDuo体制で活動を続けていた。その後、Black Ivoryは95年に再結成しており、Original Member3人をFeatureして活動を続けていたようだ。10代の若さでDebutして、苦難を乗り越え頑張ってきた彼らの結束は固いようだ。
『Don't Turn Around』はBlack Ivoryが72年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はタイトル曲“Don't Turn Around”。Leroy BurgessのFalsetto Vocalが切ないSweetなBallad。この頃はまだ、Philly Soulの強い影響下にあったAdamsがSongwritingとProduceでStringsとChorusまで思いっきりベタに迫っているのが微笑ましい。
“Surrender”はMotown的な若々しく躍動感に満ちたYoung Soulで、Funkyなリズム隊にのって初々しいVocalとChorusがイイ感じ。
“I'll Find A Way”もBlack IvoryとAdams共作となるSweetなBallad。しかし捻りのある楽曲とFalsetto、Chorusは中々のもの。アルバムで一番の聴きモノ。
上述のSingleB面となった“I Keep Asking You Questions”も生命感漲るFunkyなYoung Soul。
Patrick Adams単独作の“She Said That She's Leaving”。VibraphoneとHammondにFalsettoのChorusが盛り上げまくる必殺のBallad。これはグッときますなあ。ウネるベースも最高。
Leroy Burgess単独作の“If I Could Be A Mirror”も甘々のBallad。
Leroy BurgessとStuart Bascombe共作の“You And I”。これまた雰囲気タップリにFalsseto VocalとChorusが歌い上げるScaleの大きいBallad。
ぶっといベースとOrgan、ドラムスの演奏にメンバーの笑い声や話声が重なる“Our Future”はFunkyなStreet感覚に満ちたインスト曲。
“Find The One Who Loves You”はBlack IvoryとAdams共作の泣きのBallad。
アルバム最後をシメるのは71年10月にリリースされたMichael JacksonのSolo Debut SingleとなったElliot Willensky作の名曲“Got To Be There”。
(Hit-C Fiore)